「早く仕事を辞めたいのに、上司に話を切り出せない…」
退職を決意したものの、このように上司に話すタイミングがつかめず悩んでいる方は、退職を伝えるためのアポ取りをやってみましょう。
面倒に感じるかもしれませんが円満退職を迎える下準備としてアポ取りは必要な手順です。
この記事を読めばアポ取りの必要性や目的、スムーズなアポの取り方がわかりますよ。
退職の意向をきちんと伝えるためにアポは必ず取るべし
そもそもアポとはどういう意味なのか、改めて確認してみました。
アポイントメントという単語の略語で、くだけた表現であることを覚えておきましょう。
退職に向けたアポ取りとは、退職に向けた面談をするための約束を上司に取り付ける、ということです。
そして、退職について話し合うための時間と場所の用意を依頼する側面もあります。
退職に向けてアポを取る3つの目的
上司との話し合いの場では次の3つの目的を達成しなくてはなりません。
どの項目も大切です。
冷静にかつしっかりと自分の意思を伝えるようがんばりましょう。
上司に退職の意向と理由をしっかりと伝える
特に退職を決めた理由はきちんと伝えておきたいところです。
この時点では、こちらは退職をお願いしている立場なので、上司が納得し退職を許可してくれるように理由を伝えなくてはなりません。
また、ハラスメントやライフイベントに関する理由など、大きな声では話しづらいこともあるでしょう。
そのため、他のスタッフがいてガヤガヤしたり忙しく動いている環境は退職の話し合いの場には適していないのです。
自分の思いや退職を決めた経緯・事情をきちんと伝えるためにも、アポ取りは必要です。
業務の引継ぎや退職日までのプロセスをすりあわせる
業務内容によっては後任への引継ぎや、顧客へのあいさつ回りも必要になります。
退職日までの引継ぎ項目やスケジュールを上司と確認し、現職に迷惑がかからないように努めなくてはなりません。
転職先と協議して決めた退職日に問題なく辞められそうか確認する※転職先が決まっている方のみ
さらに転職先が決まっている方は、自分の退職希望日で辞めても問題ないかを面談の場で必ず確認しておきましょう。
希望日での退職が難しそうであれば、日程の調整が必要になってくるからです。
現職場にも転職先にも関わることなので、言い辛いかもしれませんが確認を怠らないように。
アポイントメントの取り方と準備しておくこと
ここからは具体的にどうやってアポを取るのかを解説していきます。
その他に、押さえておきたいマインドや注意点も併せて解説します。
前項と内容が重複している箇所もありますが、大切なことなので改めて確認してみてください。
アポを取るための具体的な手段は?
アポイントメントを取る手段に関しては対話にこだわる必要はありません。
退職を伝えたい上司のワークスタイルに応じて、以下から適切な手段を選ぶといいでしょう。
- 口頭で伝える
- 電話
- メールや社内チャットなどのツール
- 書面
あくまでもアポを取るための手段を紹介しています。
人前で突然辞める旨を伝えたり、メールや電話で退職の意向を伝えるのはマナー違反です。
あくまでもお願いをする立場だとこころがける
どのような退職理由であれ、この段階では自分がこれから退職をお願いする立場にあるということを忘れてはいけません。
そのため上司にアポを取る際も、自分の話を聞いてもらうための時間を割いてくれるようお願いする立場なのだと頭に入れておきましょう。
アポ取りのポイントは簡潔にタイミング良く
アポ取りをする際に気を付けてほしいのは以下の2点です。
- 要点を簡潔にまとめる
- タイミング
アポを取る方法として口頭で伝える他に、電話やメールなど様々な手段が考えられますが、いずれにしても要点をうまく伝えられるように文章を組み立てておくとスムーズです。
(要点や文章例については後述。)
タイミングについては外しておくべき場面だけをまとめます。
ピークタイムや緊急時などの忙しい場面を避けるべきなのはイメージできますね。
その他にも外出直前・外出中、会議直前なども避け、上司のスケジュールを把握してアポ取りのタイミングをはかりましょう。
アポ取りなので多くの時間を割くわけではありませんが、移動のタイミングで話しかけられるとやはり相手も少しイライラしてしまうかもしれません。
本音では恩義を感じない職場だったとしても、円満退職のために穏便な対話を目指しましょう。
具体的な文章例
「お願いする立場としてのあいさつと伝えたい要点を簡潔にまとめる」
これらをこころがけてアポ取りの文章を考えてみましょう。
この項目では口頭で伝える際の具体例を提案します。
自分が勤める職場の雰囲気や上司との距離感に合わせてアレンジしてみてもいいですね。
おつかれさまです。
少々お時間よろしいでしょうか。
今後のことでご相談したいことがあり、後日面談のためのお時間をいただけないでしょうか。
可能でしたら個別にお話をさせてください。
突然で申し訳ありませんがご検討よろしくお願いします。
「個人的な面談をじっくりとしたいんです」
この意思がきちんと伝わる文面になっているかチェックしましょう。
電話やメールなどの顔を合わせない伝達方法であれば、文頭で自身の氏名を明かすとよりわかりやすく情報伝達ができますよ。
退職の本気度を伝わりやすくする資料や書類の準備
退職したい思いをより上司に伝えるなら「退職願」を作り、面談の場で渡してもいいでしょう。
退職願と退職届に関する取り決めを「就業規則」で定めている可能性もあるため、退職を申し出る前にあらかじめ確認しておくと効率的です。
就業規則についてはこちらの記事で解説しています。
さらに今後のために引継ぎ資料をこっそり作っていたのなら提示しましょう。
現職を気にしつつもやむを得ない事情で退職するのだと心証が良くなり、円満退職できる可能性が高まります。
アポ取りした面談で話し合いをする際の注意点
いざ迎えた上司との面談当日。
退職を切り出してから今後について2人きりで話し合いをするのは緊張するものです。
思った通りに説明できなかったり、逆に話さなくてもいいことをうっかり口にしてしまうこともあるかもしれません。
余計なことを言ってしまったせいで上司の機嫌を損ねたり、引き留めにあってしまうのは避けたいところです。
なるべく不穏な流れを避けるためにも上司との面談時にこころがけてほしいポイントをまとめました。
面談時の3つのポイント「クール・プラス・謙虚」
本音では「給料安いし休みも少ないし早いとこおさらばしたかったんじゃ」などの思いがあっても、それらを読み取られないように面談に臨みます。
以下の3つのポイントを踏まえて、退職理由や面談時の心構えを整えておくといいでしょう。
雑な例えですが、円満退職のために面談の場だけでも「聖人」を演じるのです。
- マイナスな感情があっても冷静に、退職理由は具体的に述べる
- 「休みが少ないから→将来に向けてスキルアップに励もうと望み」のように未来への希望的観測を含むプラス表現に変換
- (思ってなくても)突然の退職に対する謝罪と職場への感謝の気持ちを伝える
愚痴や文句などのマイナス発言は絶対にNG!
愚痴や文句などのマイナス発言は、上司からの心証が悪くなるので絶対に言わないようにしましょう。
さらに暴露した話が社内に広まり、退職日まで嫌なムードで過ごさなくてはならなくなるかもしれません。
1番困るのが「不満を解消するから辞めないでほしい」と引き留めにあうパターンです。
会社側が譲歩しているため、簡単に断っていいものか悩んでしまう可能性もあります。
円満退職にとって不利になる状況を少しでも減らすために、愚痴や文句などをうっかり話さないよう気を付けたいですね。
私の体験談ですが「自分の適性を見極め、その道でスキルを磨きたい」と言い退職しました。
本音では先輩に不満タラタラでしたが…飲み込みました。
退職理由がハラスメントなど会社に非がある場合の対処法
このような場合は円満退社にこだわる必要はありません。
冷静に事実だけを伝え、心身の健康を最優先に行動しましょう。
また、面談日までにハラスメントを証明する証拠をできるだけ集めておくべきです。
言われたことややられたことの記録もしておきましょう。
上司にアポがどうしても取れない場合の対処法
最後に上司がものすごく忙しい職場や、シフト制などで会う機会が無いタイプの対処法を書いておきます。
メールアドレスを知っていれば、メールでアポを取る方法が1つ。
もう1つの方法は人事部や本部、別の上司にアポイントメントの相談をする。
それでも直属の上司と会えなければ退職の旨を相談しつつ退職願を預かってもらえないかお願いしてみましょう。
どうしても上司に会えないせいで退職を1人で悩むより、対応できそうな別の社員に相談してみると一歩前進できるはずです。
退職を伝えるアポイントメントを上手に取ることが円満退職への近道
「就業規則」の記事でも話しましたが、円満退職への道筋は退職を切り出す前から始まっています。
今回は、退職を切り出すきっかけになるアポイントメントについて解説しました。
相手の目線に立ち、謙虚な姿勢を忘れずにアポを取り、準備を整えて上司との面談に臨みましょう。
面談時は聖人を演じ切ることをお忘れなく。
「立つ鳥跡を濁さず」ということわざがあるように、スッキリ去れる雰囲気を整えるように努めましょう。
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